名古屋友禅

友禅染について

友禅染は約300年前の江戸時代、元禄の頃に京都の絵師「宮崎友禅斎」によって創始されたと伝えられています。
友禅斎の発明した友禅(糸目)糊(糯米、糠、塩を混ぜた糊)により、画期的な防染ができるようになり、一色一色がくっきりと鮮やかで多彩色で美しく、自由な模様染が可能になりました。
これにより、それまで一部の上流階級にしか許されなかった絞りなどによる豪華な絵模様に代わり、一般庶民が手軽に装えるものとして著しく発達しました。

友禅染は各産地によって色調に特色があり、それらを育んだ地域の風土や文化が染めに反映されているといわれています。
・「名古屋友禅の"渋"」  落ち着いた色で色数を抑えた淡色濃淡調
・「東京友禅の"粋"」    藍や白を効果的に用いた、センスと洒落感
・「京友禅の"雅"」     金銀を使い、刺繍や金箔などの装飾
・「加賀友禅の"豪華"」  加賀五彩(臙脂、黄土、古代紫、草緑、藍)の豪奢な色調

名古屋友禅とは

華やかな治世を行った尾張藩主徳川宗治の頃(1730~1739年)に、京都の絵師「友禅師」が従来の友禅技法を伝えたのが始まりです。
しかし徳川宗治の失脚後、尾張藩はふたたび質素倹約が励行されるようになり、それにともない名古屋の友禅模様も、色の濃淡で柄を表す「単色濃淡調」の"渋"友禅になりました。

名古屋友禅の最大の特徴は、奇抜な色を使わず、落ち着いた色で色数を抑えて使い、模様の配色は一つの色の濃淡で絵柄を描くような染めにあり、落ち着いた美しさが魅力となっています。

また、近年では名古屋友禅の"渋"さに現代感覚を取り入れた華やかさを加味したものもあります。 名古屋友禅は「型染」「手描き友禅」「黒紋付染」に分けられ、それぞれ独自の技法があります。

名古屋 手書き友禅

図案・意匠を考案し、友禅師が手加工する技法です。 青花液(あおばなえき)で下絵を描き、色挿しをして、伏糊置(ふせのりおき) によって防染し、 地色を染める引染(ひきぞめ)、 最後に箔置(はくおき)などの彩色仕上(さいしきしあげ)をして模様を染め上げます。 それぞれの工程を友禅作家が一環して行います。

名古屋 手書き友禅

友禅模様を型彫りした伊勢型紙を下絵の代わりに用い、使う色ごとに型紙を用意して絵柄(細かい模様)を付けていく友禅染です。
伊勢型紙が1色に付き1枚の型紙が必要なため、色数の多い模様には100枚以上の型紙が必要なこともあり、
特に振袖は、一反に1,000枚以上も型紙が使われる場合もあります。

名古屋 黒紋付染

礼装用の衣服に家紋を染抜きにする技法です。
生地の両面から家紋の輪郭をかたどった厚手の型紙を貼り付け、金網をあてて浸染します。
白く染め抜かれた部分に、家紋を手描きします。

名古屋 友禅黒紋付共同組合連合会について

名古屋友禅は昭和58年に経済産業省より「伝統的工芸品」の指定を受けています。

名古屋友禅黒紋付協同組合連合会は手描き友禅が主な名古屋友禅工芸協同組合と黒紋付染が主な愛知県染加工業協同組合とで成り立っています。
また、日本の伝統文化を守り伝えるために、ベストやネクタイなどの新しい商品の開発や、希望者に有償で技術を教えるなどの活動を行っています。

名古屋友禅工芸協同組合の現会員

赤塚 正美 伊藤 勝久 出原 修子 岸野 布沙衣 桜井 めぐみ
林 信志 堀部 清久 山田 英(理事長) 渡辺 芳治