- 大名縞-だいみょうじま
- 地糸三本の配列に変化のある縞。江戸時代に大流行し、乞食がよく着ることから乞食大名の名もついている。
- 高砂染-たかさごぞめ
- 中形染のひとつ。型付と染を二度行うことで、複雑な染味をだしている。
- 手綱絞-たずなしぼり
- 「たずな染」や「だんだら染」とも言う。馬のくつわに付けた綱にこの模様を用いたことからこの名前が付いた。
- 伊達襟-だてえり
- 襟の下にもう一枚襟を重ね、襟元を重ね着のように見せるもの。装飾を目的とした襟のこと
- 伊達巻-だてまき
- 帯下にしめて着くずれを防ぐ帯のこと。幅がせまく、繻子の厚地のものや博多織がよく用いられる。
- 竪絽-たてろ
- 日本固有の伝統的な、足を覆う衣類で。木綿でできたものが多い。防寒用の他に、礼装用としても用いられる。
- 玉糸-たまいと
- 二匹の蚕が作った繭からとった糸で、自然に糸に節ができることから節糸(ふしいと)とも言う。紬織に使用している。
- 袂-たもと
- 語源は手本(たもと)から。袖の下の袋のような部分を言う。袖のことを袂と言うことも多い。
- 反物-たんもの
- きもの一着分(一反)の用布で、和服地の総称。標準サイズで幅が約36センチ、長さが約12メートルに織られている。
- 対丈-ついたけ
- 身丈に合うように仕立てた着物のこと。おはしょり、腰上げ、褄を必要としない。
- 付帯-つけおび
- 接合して形だけを残す帯のこと。着物の帯結びや旅行用の便利さから考案された。
- 付下-つけさげ
- 文様が上に向くようにつけた加工着尺のこと。略式の訪問着がわりに着用され、需要が多い。
- 辻ヶ花-つじがはな
- 辻ヶ花染や辻ヶ花模様と呼ばれる。花模様が多く、絞りと描き絵の線で見る優美な染物。臼茶や紫、藍を主としている。
- 筒袖-つつそで
- 下のほうにある、袂のない筒形の袖。少年用や労働着として着用される。つつっぽ袖とも呼ばれる。
- 綴織-つづれおり
- 紋紙を使用せず色彩的で複雑な模様を織り出す技法。丸帯や袋物、タペストリー等を爪先で糸をかき寄せて織り込むことから、爪掻きとも言う。
- 褄-つま
- 着物の裾の左右両端や、袷や綿入の左右両端の角を指す。また、竪妻のことでもある。
- 褄模様-つまもよう
- 着物の褄に模様をつけたもの。おもに女性の着物の褄につけた模様をさす。現在ではほとんど見られなくなった。
- 紬-つむぎ
- 絹織物の一種で、紬糸で織った着物のこと。,真綿や屑繭から引き出して紡いだ紬糸の糸質より生じる独得のざっくりとした風合いがある。
- 紬縮緬-つむぎちりめん
- 経糸に生糸を用いて、緯糸に右撚り、左撚りの紬糸または絹紡紬糸を織り込んだ、紬糸の縮緬のこと。
- 素袷-すあわせ
- 襦袢をきないで素肌に袷をきることである。 夏の木綿浴衣や縮緬浴衣は素肌にきるところに夏らしい情趣があるが、袷をきる季節に素できることは、長襦袢を着ず肌着の上に袷をきる場合が多かったようである。
- 図案-ずあん
- 現代いっぱんに用いられるデザインのことであるが、きもの業界では現在でも図案、デザイナー図案家と呼んでいる。 図案はそのまま使用されることはすくなく、問屋や呉服屋の意向や、染や織の工場でさらに検討修正されることが多く、はじめからその目的で描かれた図案を標準図案と呼ぶ。
- 粋紗-すいしゃ
- 透紗、翠紗ともかく。玉糸を使って紬風の味を加えた先染夏着尺の紗である。桐生、西陣、十日町などが主産地。
- 蘇枋-すおう
- 植物染料の一つ。インド、マレーに産するまめ科に属する灌木で上代から輸入され、赤色染料として用いられた。色相は黒味をおびた紅色でねほかの色とかけあわせて紫をはじめ多くの色染に用いられた。
- 組紐-くみひも
- 二筋以上の糸を組み合わせてつくった紐という意である。現在は帯締、羽織紐が主で美しい色の絹を用いたものが多い。種類は平組、円組、角組のような形状から名づけられたものと、組み方からつけられた三つ組、四つ組、八つ組、唐組そのほか多くの種類がある。
- 筋-すじ
- 縞と同じ意であるる千筋、萬筋のように江戸小紋の縞柄に多く用いられる。また三筋格子のように格子縞にも用いる。
- 裾回-すそまわし
- 八掛、すそとり、すそうらともいう。袷の長着の裏地のこと。布地は表地にふさわしいものを選ぶ。縮緬、羽二重、綿紗などは絹の上物に、富士絹、メリンス、人絹などはふだん着用。
- 裾模様-すそもよう
- 裾模様は元来、総模様が簡略されたものであり、裾の方だけに模様をつけ、上は無地(地味な訪問着などに見られる。)のことである。 江戸時代享保の頃から裾の方だけに模様を入れ、家紋をつけた無地裾模様が婦人の礼装として定着するようになりそれが現在につづいて、裾模様すなわち婦人の正式礼装をいうようになった。
- 裾よけ-すそよけ
- 蹴出(けだし)のこと。肌に腰巻をつけ、その上に巻きつけるもの。色は白、ピンク、浅葱などが多く用いられ、夏はレースなども用いる。半襦袢と組み合わせて用いることもある。
- 砂子-すなご
- 金銀箔の粉末を接着剤で布地に蒔きつけること。金砂子、銀砂子。漆の蒔絵などと同じ。箔置きやもみ箔とはちがった効果がある。
- 墨流し-すみながし
- 水面に墨をまいて、棒でかきまわしたり吹乱して複雑な曲線文をつくり、その上に布をしずかに置いて文様を写し染めること。墨だけでなく樹脂顔料をふのり液に流して多彩なものもつくられる。
- 擦込染-すりこみぞめ
- すり染ともいう。染料を丸刷毛につけ、多く型紙の上から文様に着色すること。ぼかしに染めることを摺りぼかしという。たばねた絣糸に棒などで色絣の色をつけたものを摺りこみ絣という。
- 摺衣-すりころも
- すりぎぬともいう。山藍やつき草のような染草を布に摺り染したもの。古歌などによく見られる。
- 摺箔-すりはく
- 金箔や銀箔を接着剤を用いて布に接着させること。古くから行われた文様装飾法の一つ。箔押し、箔置きともいう。
- 摺文-すりぶん
- 文様を摺って表したもの。摺込染とちがうところは、上代染色技術の発達しなかったころ、木の葉などの染草を、直接布にすりつけて染めたものをいう。
- 手織-ており
- 居坐機、高機などの手や足で操作して織る織物のこと。自家で織ることを手織りということもある。
- 手描小紋-てがきこもん
- 本来なら「手描き小紋」ということはありえないが、小紋の名をもつイメージとして、手描染の着尺地に対して商業的に用いられている言葉。
- 手描染-てがきそめ
- 染色技術の一つ。防染法で糊を用いる糊せきだし、蝋を用いる蝋せきだしがある。文様のりんかくが確固として、強い表現効果がみられる。
- 手描友禅-てがきゆうぜん
- 型染の友禅染に対する言葉。本友禅とも呼ばれる。
- 鉄砲袖-てっぽうそで
- 袖の形のひとつで、筒袖の付け根に「燧」と呼ばれる三角形の布を入れる仕立てのため、腕の上げ下ろしがしやすくなっている。 半てん羽織のことも指す。
- 手紬-てつむぎ
- "手織の紬や、機械を使わずに手で紡いだ糸(手紡糸)のこと。
- 手無し-てなし
- 袖無しのことで、袖の無い衣服の意。昔、庶民の着た日常着または、労働着。布肩衣とも呼ばれていた。
- 手拭地-てぬぐいじ
- 日本手拭に用いられる木綿織物。湯上り用にすることが多く、浴衣地よりやや目があらい。
- 手拭中形-てぬぐいちゅうがた
- 手拭の長さを模様の一単位として型づけをした染色方法のひとつで、布地を昔の日本手拭の長さに折りたたんで染めることから、折付中形、注染中形とも呼ばれる。
- 天蚕紬-てんさんつむぎ
- やままゆ蛾(天蚕)の作る繭から採った糸で織った布のこと。少し緑がかった光沢のある紬で、長野県有明付近で生産されている。
- 胴裏-どううら
- 奥裏とも言う。袷や綿入りの着物の裏地で、胴の部分に用いる布地のこと。裏袖、裏身頃、裏衿、衽先布からなり、裾回し布とそれぞれ縫い合わせても用いる。
- 東京小紋-とうきょうこもん
- 東京で染められている現代風な色彩の型染め小紋の総称。
- 唐桟-とうざん
- 外来織物、縞木綿の一種で「唐桟縞」の略語。ポルトガルやオランダなどの外国船でもたらされた色彩的な木綿で「桟留縞」ともいう。
- 胴抜き-どうぬき
- 重ねの下着等に用いる仕立方の一つ。外から見える部分と見えない部分に、別布を使って仕立てたものを指す。
- 通し裏-とおしうら
- 男物の袷長着、丹前などに用いられ、肩から裾まで通して同じ布を用いる裏地のこと。花嫁の打掛にも用いられる。
- 通し柄-とおしがら
- 六尺通し柄やお太鼓柄に対し、丸帯や博多帯のように帯地全体に文様をつけたものをいう。
- 飛び柄-とびがら
- 飛び柄模様のこと。間隔を置いて文様を配置したものの総称。
- 鳶八丈-とびはちじょう
- 八丈絹の一種。かつて、鳶紬といわれて紬織りが主で、子供に着せると丈夫に育つといわれていた。
- 留袖-とめそで
- 本来は、振袖の袖丈を短く留めたきもののことを留袖といった。現在は、背中心と両外袖、両胸に家紋を染め抜いた五つ紋付きで、裾に華やかな模様のある長着を指す。
- 緞子-どんす
- 紋織物の一つ。地が厚く、光沢のある絹織物で、現在は白生地として染下生地に用いられることが多い。ダマスクとも呼ばれる。